大胸筋


胸郭の上部で胸骨の両側にある扇状の大きな筋で、厚い筋膜(胸筋筋膜)で覆われる。起始は3部に分かれる

鎖骨部

起始: 鎖骨の内側半(鎖骨胸骨側半分)
停止: 上腕骨の大結節稜
神経: 内側および外側胸筋神経(C5〜C8、Th1)
作用: 肩甲骨の外側角をやや下方に引く。肩甲骨を固定すると、第2〜5肋骨を引き上げ胸郭を広げる。(肩甲骨の回旋)

胸骨部

起始: 胸骨及び第2〜7肋軟骨の前面

肋骨部

起始: 腹直筋鞘前葉から起こり、上部は外側下方に、中部はほぼ水平に、下部は斜めに上外側方に走る

共働筋

肩関節の内旋:肩甲下筋、三角筋前部、広背筋、大円筋
肩関節の屈曲:三角筋前部、烏口腕筋、上腕二頭筋
肩関節の水平屈曲:三角筋前部

拮抗筋

肩関節の外旋:三角筋後部、棘下筋、小円筋
肩関節の伸展:広背筋、大円筋、棘下筋、小円筋、三角筋後部、上腕三頭筋
肩関節の水平伸展:三角筋後部

備考: 大胸筋の各部の線維は、それぞれ異なる方向に走る。大胸筋には胸鎖関節、肩鎖関節、肩関節の3つの関節が交差している。
    顔を前に突き出した姿勢は多くの場合、肩甲骨を前方に引っ張り、頭を前に猫背姿勢をとらせる大胸筋筋膜トリガーポイントによってもたらされる。

ADL: 手をついて上半身を固定する。大きな物を胸の前で両手で抱える。ロープを上方から下方へ引っ張る。