2012.05.10
目のトラブルについて(顔の整体で対応できるもの)

 肩のこりやハリを訴える人には目の疲労が関係していることが多くあります。肩が張っているから目が疲れるのではなく、目が疲れているから首〜肩にかけてハリが生じてしまうのです。
 またドライアイ、あるいは涙目で悩まれている人も多くいます。これらは目自体に異常や障害があるのではなく、顔が歪んでいることが原因である場合がほとんどだと思います。
 目がゴロゴロするような感じを持っている人は眼圧が高いのかもしれません。眼圧が高くなると緑内障と関係するようですので、放っておくことは良くないことです。これは全身の血液循環と関係しているように感じています。
 目のトラブルには他にもいろいろあると思いますが、整体手法で対応できるトラブルについて今回は考えてみたいと思います。

 顔の整体で対応できる目のトラブル
    @疲れ目、眼の奥の痛み
    Aドライアイ、涙過多
    B眼のゴロゴロ感・眼圧
    C目の働き・ピント調整の速度

@疲れ目、目の奥の痛み‥‥目の使い方に偏りがあるのでは
 目の働きに関係する筋肉には視力に大きく関係する内眼筋と目を動かす働きをする外眼筋があります。この内、疲れ目や目の痛み、目の奥の痛みなどに関係が深いのは外眼筋です。
 外眼筋は脳から直接出ている神経(脳神経)によって機能しているのですが、筋肉自体は6つあって目を取り囲み、瞳を上下左右、斜め上下などに動かす働きをします。
 体の骨格筋は使いすぎると疲労したり、こわばったり変調をおこしますが、この外眼筋もそれと同様に使い方によって変調をきたします。例えば右ばかりを見ている人は、目が右に偏る、つまり目を右に動かす筋肉がこわばってしまうことになります。テレビを見るときに体を横にしている癖のある人は、そのように目を動かす筋肉が偏ってしまいます。あるいはテレビやパソコン画面などをたくさん見ている人は、外眼筋が酷使されますので、疲労することになります。

 ツボ療法などの本によれば、疲れ目に効果的なツボが目の周りにたくさんあり、そこを刺激することで疲れ目に対応できると書いてあります。確かにそれは正しいことなのですが、問題はそのツボを刺激して何をするのかということについてはほとんど書かれていません。ですから、効果があったりなかったりと不確かな結果になってしまうことです。
 ツボの場所を刺激して外眼筋のこわばりをとり、変調を解消することによって疲れ目を改善する。そういう目的意識でツボ刺激療法を行うことがポイントになります。

 経験的に申し上げて、外眼筋がこわばりますと、こめかみ(太陽穴のあたり)の筋肉が固くなり盛り上がります。こわばりの程度が進みますと“コリコリ感”が生じるほどになります。そうしますと肩甲骨と首をつないでいる筋肉(肩甲挙筋)も連動してこわばりますので、首筋が張ったり、肩の位置が高くなったりします。いつも右の方ばかり見ている人は、右の首筋が張り、右肩が左肩より高くなります。
 肩や首が凝るから目が疲れるのではなく、目の使い方に偏りがあり、外眼筋がこわばるので首筋が張り、肩が凝るように感じるのです。



Aドライアイ、涙過多
 涙をもたらす涙腺は顔面神経の影響を受けますので、ドライアイや涙過多は顔面神経のことも考慮しなければなりませんが、ここではそれを除外して考えます。
 ドライアイの人は頬(頬骨)が下がっている場合が多いように感じます。それは極端に表現しますと、「あかんっべー」とやるときの「べー」の状態のようであり、その状態では目が乾きやすくなりますので、まばたきが多くなってしまいます。まばたきの多い人はドライアイの兆候があるのでしょう。
 このような人は指先で頬の骨を少し持ち上げるようにしますと目が楽になり涙が出てきて瞳が潤うのではないでしょうか。

 ドライアイや涙過多などの問題は眼球自体や涙腺のことだけではなく、(まぶた)のことも考える必要があります。「あかんっべー」のように頬が下がりますと、瞼を全部閉じるとき通常以上に力を入れなければならなくなります。(この動作自体で疲れ目になります)
 目は頭蓋骨の中の眼窩(がんか)というくぼみの中に納まっていますが、眼窩のくぼみは前頭骨・頬骨・上顎骨・蝶形骨などで構成されています。ですから、これらの骨が本来の位置からずれますと、その歪みが眼球や瞼など目の働きに関係するところに影響を与えることになります。
 
 眼窩が本来の位置からずれてしまう原因にはいくつかあります。頭蓋骨の歪みを整え、体の歪みを整え、眼窩を正しい状態にすることでドライアイや涙過多の状態が解消されることは多くあります。
 ドライアイなので専用の目薬を使うことも必要かもしれませんが、一度“顔の整体”を試していただくことも良い方法ではないかと思います。



B目のゴロゴロ感、眼圧‥‥むくみと関係している
 デメキンという金魚がいますが、目がゴロゴロするとか眼圧が高いというのは、目が腫れている状態であると考えることもできます。
 両方の瞼を閉じて、中指と薬指の第一関節あたりでそっと瞼の上から軽く圧をかけますと右目と左目では圧したときの感じが違うことがよくあります。例えば右目は圧を受け入れるのに、左目は跳ね返してくるような感じがするのであれば、左目は内圧の高い状態であるといえます。つまりデメキン状態です。このような状態が進みますと、目がゴロゴロしだし、眼圧が高くなる状態になります。
 
 “目の病気”である場合は別にして、この内圧の高い状態は単純にむくみの状態、つまりリンパや静脈の流れが悪い状態であると考えることもできます。
 そしてこの場合、原因として第一にあげられるのは、鎖骨下静脈の流れが悪いことです。鎖骨下静脈は鎖骨と第一肋骨の狭い隙間を通っていますので、鎖骨がずれたり肋骨が少々ずれたりするだけで容易に流れ方が変わりやすいところです。
 実際、このような内圧の高いときに鎖骨あるいは第一肋骨のずれを修正するだけで瞬時に目の内圧は下がります。

 眼圧が高いことは緑内障という難しい病気に結びつく可能性がありますので、目がゴロゴロしている人は放っておいてはいけないと考えます。
 目がゴロゴロするのに対応する目薬などもあるようですが、それよりも鎖骨下静脈の流れを整えることの方が根本的な解決方法ですし、目の内圧に限らず顔のむくみや全身のむくみにも対応できますので、是非そちらを試していただきたいと考えます。



C目の働き・ピント調整の速度
 上記のような疲れ目の解消、骨格や筋肉の調整、むくみの軽減などが達成されますと、かすみ目なども軽減し、目が軽く、物が見やすくなるようになると思います。しかし、近くの物を見ていた状態から遠くに目をやるの時のピント合わせの速度が不十分に感じたりするときがあります。
 “目は脳が表に飛び出したもの”という解剖学的な見方があります。そう考えますと、目の働きは脳の働き、脳の血流速度や神経伝達速度に関係が深いと云うことができます。
 脳自体は骨格構造を持っていませんので、頭蓋骨の中で水に浮いているようになっていますが、脳の台座の働きをしているのは頭蓋骨の中の蝶形骨です。経験的に、蝶形骨がずれていたり、しっかりしていないと脳の働きが少し遅くなるという事実があります。例えば、頭の中で九九の暗算をしてみても脳の働きが遅いと答えの数字が浮かんでくるのが遅くなります。このような時に頭蓋骨を整え、蝶形骨をしっかりした状態にしますと、九九の答えもサッサと出てくるようになります。脳の血流速度が上がり神経伝達が速くなるのだと考えることができます。
 同様に蝶形骨をしっかり整えますと、目の働きやピント合わせが素速くなるのが、その場で実感できるようになります。

  

ゆめとわでの対応
 私たちの周りにはいつもテレビやパソコンなどの画面があるようになりました。今はそんな社会環境です。ですから、私たちは必然的に必要以上に目を使っていることになります。
 実際、当店に来られるほとんどの人に「目のコリ」(外眼筋のこわばり)があります。そして噛みしめの癖があります。その二つがあれば、“顔がこっている”状態であり、頭痛や片頭痛と友達関係の状態であると云うことができましょう。
 私たちの自覚ではごく一般的に感じるこの私たちを取り巻く文明・社会環境は、私たちの想像を超えて、目をはじめ身体にとってきついものなのかもしれません。ですから少しでも楽な状態でいたいと考えるなら、社会環境からの刺激を受け取る窓口となる目や口や顔の緊張を積極的に緩める必要があるのだと日々感じます。
 当店では、例えば首・肩のこりをやわらげに来られた方でも、施術時間に余裕があれば、目のコリや噛みしめ癖による顔のこりなどを解消する施術をするようにしています。顔の緊張が取れ、目の疲れが解消しますと、スッキリ爽やかな感じが甦ってきます。

 “顔の整体”といいますと、小顔やむくみの解消、歪みの修正などと受け取られがちですが、それだけでなく目や顔のコリやこわばりも解消する施術です。目に関係するトラブルの方は是非一度体験してみてください。

ゆめとわホームページへ