マスクの弊害(その後)とケアのすすめ

 以前に「マスクの弊害と日々のケア」という記事を書きました。その中でマスクのゴム(紐)が微力ながら耳を引っ張り続けることで、口元や頬がゆるんだり頭がボーッとしたりする弊害があると言及しました。
 新型コロナウイルス予防のためのマスク装着もすっかり定着して、一年が経過しようとしていますが、その弊害はすっかり慢性化してしまった感があります。
 今回は、マスクの弊害が慢性的になっている状況に見られる危惧と、それゆえに日々のケアをしっかりしていただきたいとの思いを込めて改めて投稿させていただきます。

マスクと不完全な呼吸

 まず、どのようなマスクであれ、呼吸に問題が生じるのはごく当たり前のことです。(肺)呼吸の第一目的は新鮮な空気を取り入れ、使い古された空気(二酸化炭素=炭酸ガス)を体外に放出することです。もし炭酸ガスが体内(肺の中)に残ったままの状態であれば、呼吸は不完全となってしまい酸欠状態を招く恐れがあります。
 呼吸にかぎらず、古く、不要なものが体内に留まることはそれ事態でからだに悪影響を及ぼします。川の水は流れ続けることで周辺を浄化して清潔を保ちますが、流れが停滞して水たまり状態になりますと、ボウフラが湧いたり、有機物が腐敗して異臭を放つようになってしまいます。つまり本来は環境を浄化する役割をしている水が、反対に環境悪化の原因になってしまいます。同様に、肺呼吸が不完全で、肺の中に不要な空気が停滞したままの状況が続きますと同じようになってしまうと考えることができます。

 息を吸ったままで十分に吐き出すことのできない状況は「過呼吸」と同じような感じですが、マスクを装着したままですと、自分が吐いた息の一部を再び吸い込んでしまう可能性があります。その量は少しかもしれませんし、短時間や短期間であれば大して問題にならないかもしれません。しかし、一日に何時間も装着している状況が一月とか数ヶ月とか一年とか続きますと確実に私たちのからだはダメージを受けていると考えるのが自然です。(免疫力という観点で考えますと好ましいことではありません。)
 ですから、対策としましては、ときどきマスクを装着する必要のないきれいな環境に身を置いて、肺を洗浄する目的も含めて、深く心地良い呼吸を行う時間を持っていただきたいと思います。日頃から「デトックス肺」という意識を持つことも大切だと思います。

参考までに
 現在主流の見解ではありませんが、マスクをすることでウイルスがマスクに付着した状態になり、時間の経過とともに付着するウイルスの数も増えますので長時間同じマスクを装着しているとウイルスを体内に入れてしまう可能性が高まるとの見解もあります。
 ですから、感染を予防するためにマスクをするのであれば短時間で交換するべきですし、マスクをしない方が感染の危険性が小さくなるという一部の医師や科学者の見解もあります。
 実際に何が正解かは私には判断できませんが、免疫力を低下させないという意味からも新鮮な空気での呼吸ができる状態はなるべく長い方がよいと思いますし、「マスクが何より大切だ」という考え方には固執しない方がよいと思います。
 口呼吸を避けて鼻呼吸を行い、からだを温め、疲労を蓄積しない、というのが免疫力を維持するための基本ですから、コロナ対策として、これらのことも気にしていただきたいと思います。

マスクの紐(ゴム)と耳

 さて頭や顔とマスクとの関係では、マスクの紐(ゴム)が耳を引っ張ることが確実に悪影響を及ぼします。耳に掛けるゴムや紐の力は微力かもしれませんが、その力が長い時間続きますと皮膚やその下層の皮下筋膜が紐(ゴム)の力に負けた状態になってしまい、ゆるんで伸びた状態になってしまいます。
 私たちの肉体は、筋肉や筋膜や靱帯や他の結合組織も「伸ばされた状態で放置される」ことを苦手にしています。
 マスクの紐(ゴム)によって耳周辺の皮膚や筋膜がゆるみますと口元から頬に掛けての筋肉(表情筋)の働きが悪くなり、「口の締まりが悪くなる」と感じるようになる可能性があります。そして実際、口輪筋や頬筋などの働きが悪くなってしまいますので、頬がたるみますし、ほうれい線も目立つようになると思います。
 また、耳周辺の組織が弱くなってしまったことの反動として額の筋肉が収縮したままの状態になってしまうことがあります。すると、おでこが前に突出した感じになったり、眉間の縦皺が目立つような状態になってしまいます。
 精神的にはゆったりとくつろいでいたいのに、額から力が抜けきらないので、いつも難しいことを考えているような顔つきになってしまう、とも表現できるかもしれません。

 この状況を改善するためには、耳周辺のゆるんでしまった皮膚や筋膜を回復させることが必要です。それが正当な考え方であり方法です。
 口元や頬のたるみが気になるからといって、表情筋を鍛えるトレーニングを行ったり、額のこわばりやシワが気になるからといって額をほぐすようなマッサージを行ったとしても効果は期待できません。かえって別の問題を引き起こします。(表情筋を鍛えることの弊害)
 私の施術は、耳周辺を触りながら皮膚や筋膜がゆるんでいる部分を探しては、そこに手指を当てて「手当て」をすることです。手指を適度に当てることで、その部分の皮膚や筋膜の細胞の働きが回復するように促します。すると額のこわばりは消失して「おでこ」が平たくなります。また、口元のたるみも改善します。「症状を直接操作するのではなく、原因となっている問題を解決する」という考え方が大切だと考えています。

 ですから、このような状態になっている人には、「一日の終わりにベッドに入ってからでも良いですから、このyゆるんで弱くなっている部分に2~3分、手当てしてください」とセルフケアをアドバイスしています。
 
 後日、「喉の問題」に関して投稿する予定ですが、喉のこわばりとマスクとにも関連性があるようです。早くマスクのいらない状況になることを望んでいます。