2012.11.27
顔の整体‥‥顔を整えることの重要性

「顔の整体って、どんなことをするの?」という問い合わせをよく受けます。
 あるいは「小顔になるの?」「シワやたるみは?」「シミは?」という質問も受けます。
 顔を整えることを“顔の整体”と称していますが、“顔を整える”とは具体的には頭蓋骨と顔の筋肉・筋膜・皮膚を整えることです。それによって顔の容貌もさることながら眼・鼻・口・耳という大切な器官や機能を快適にすることを目的にしています。

 女性にとっては“小顔・シミ・シワ・たるみ”などの容貌に関することが興味の的のようですが、それらを主目的に顔を整えることもできます。それ以外にも、顔立ちの変形や顎の不調、肌荒れなどに対応することもできます。さらにドライアイ、耳鳴り、顎関節の不調、めまい、その他感覚器官の状態を改善したいなどの要望に対応することもできます。
 
 顔は自分自身やその個性を表に現す重要な部分ですが、それだけではなく体全体にとっても司令塔の役割をしているとても重要なところです。これは顔のバランスが崩れると体のバランスも崩れるということであり、また、反対に体のバランスが崩れると顔のバランスも崩れるということを意味しています。そういう意味から体を整える“整体”において、顔を整えることはとても大切だと考えています。

    @顔の整体‥具体的にどのようなことをするのか?
    A顔を整えることの意味‥‥顔は体の司令塔
    B美容‥‥小顔、シミ、シワ、たるみなどに対する顔の整体
    C以前の顔立ちに近くなる“顔の整体”

@顔の整体とは、具体的にどのようなことをするのか?
 「顔の容貌を整える」といいますと、エステにおけるフェイシャルマッサージや美顔の施術がまず頭に浮かぶかもしれません。しかし、ここで行う“顔の整体”はそれとはまったく異なる施術をします。
 エステや美顔マッサージでは皮膚や表情筋(顔の表面にある筋肉)を主に施術します。ところが顔の整体では、表情筋の下にあるそしゃく筋や骨格そのものを整えることをします。それによって美容面のみならず“機能と感覚を整えよる”ことを目的にしています。
 顔には眼、鼻、口、耳、皮膚という感覚器官があります。これらは物を見る、匂いを嗅ぐ、食べるて味わう、音を聞く、感触を感じるという感覚的機能があります。さらに口には言葉や音を発するという機能と、鼻と口には呼吸に関係する機能が、耳には平衡感覚に関係する機能があります。
 花粉症や鼻炎、ドライアイや眼精疲労、めまいや耳鳴り、無呼吸症候群やいびき、湿疹や肌荒れ、これらの症状は顔にある感覚器官と密接に結びついています。ですから、これらの症状を改善しようと思えば、顔を整えることは欠かすことのできないことであると考えることができます。

顔の整体では骨格を整えますが、骨を強制的に動かすことはしません。
 「頭蓋骨は容易に動きます」と申し上げますと、ほとんどの人は「信じられない」という反応が返ってきます。骨自体、骨そのものの形を変化させようとすることは難しいことだとされていますが、骨格というのは骨と骨が関節でつながってできていますので、骨格を変化させることは難しいことではありません。そして頭蓋骨は一つの骨ではありません。いくつものパーツ(骨)が組み合わさって一つの頭蓋骨という形をつくっています。そして一つ一つのパーツ(骨)どうしの間は関節になっています。関節であるということは“動く”ということを意味します。(後頭部に手を当てて大きく呼吸していただくと、息を吸った時頭蓋骨が広がり、息を吐いた時に縮むように感じることができますが、それは関節が弛んだり締まったりしていることを意味しています。)
 ですから、頭蓋骨の形は何かの要因で歪みますし、また、歪んだ頭蓋骨を元の形に戻すことも可能なのです。そしてこの関節(縫合関節)のあり方は非常に重要です。この関節がある時はゆるみ、またある時はしっかり締まるという柔軟性が保たれているので、私たちは普通にしていられます。もしある関節がゆるみっぱなしの状態になったとすれば、それによって骨がずれます。するとそのずれは隣の骨をずれさせることになり、そしてその隣、そのまた隣とつながっていき、頭蓋骨全体を歪んだ状態にしてしまいます。
 
 縫合関節がゆるみっぱなしの状態になってしまうのは、強い打撲(殴られたとか)が一番考えられますが、聞くところによれば、今、“小顔”をウリに頭蓋骨を強い力で押し込んだり引いたりする施術が一部で流行っているようです。それは後々のことを考えればとても危険なことです。罪に値する施術です。また、顔を小さくしたいがために自分で骨を押し込んだりしている人もいます。そのようなことを毎日のようにしていると縫合関節の柔軟性は失われ、“頭蓋骨陥没”と同じような状態になってしまいます。鼻の通りが悪くなったり、視力が低下したり、言葉がしゃべりづらくなったり、顔に関係するいろいろな問題を引き起こすことにつながります。

 ここ(ゆめとわ)では、絶対に力でもって骨を動かすことはしません。関節を整えたり、筋肉を調整したりして自動的に骨格が元にもどるように調整するだけです。
 噛みしめの癖や歯ぎしりの癖を持っている人がたくさんいます。そういう人たちは頬の筋肉がガチガチに硬くなっています。それをほぐすための施術を行いますが、強い肩こりをほぐすのと同じで、一時的に痛みを感じます。しかし、ほぐれてしまえば気持ち良ささえ感じられます。これだけが顔の整体で私が力を使う部分です。

A顔を整えることの意味‥‥顔は体の司令塔
 私たちが頭で思ったこと、意志したことを実行するのが手や足など体の部分であることを考えると、精神面で頭部は司令塔であり、その指令に従うのが体の各部分であると云うことができます。私たちの意志とは関係なく自動的に働いている自律神経においても、多くの場合、やはり脳の中にいる総司令官(中枢神経)がその働きを司っていますので、頭部が司令塔の役割を担っていると云えます。
 同様に、整体的な面でも頭部(主に顔)が司令塔のような役割を担っているということを考えてみたいと思います。
 こんな現実があります。“眼がいつも向いている方向に体の捻れは始まる”、“いつも噛んでいる側の方向に体の捻れが始まる”というものです。テレビやパソコンの画面が右側にあるなど、いつも右の方ばかり見ている人は眼や首の筋肉に偏りが生じます。そして、それが首から下の筋膜を捻れさせ鎖骨や肋骨の上部を右の方向に捻れさせます。するとそれを修正するようにお腹あたりが左側に捻れ、骨盤が右に捻れ、下半身が左側に捻れるといったようになります。眼の偏りが出発点で体全体が歪んでしまったということです。片方の歯ばかりで噛んでいる片噛みの癖を持つ人も同様です。
 体に歪みをもたらす要因はいろいろあります。手の使い方や姿勢、足を組んで座ることなども体の捻れの原因になりますが、眼の使い方や食べ方(そしゃく筋の使い方)が捻れの出発点になることは見逃せないところです。

 また体の筋肉(骨格筋)の中で、そしゃく筋が司令塔の役割をになっていることも、とても重要なことです。単純な例をあげます。私たちが強い力を使おうとする時、あるいは筋肉が疲れているのにそれでも筋肉を使わなければならない時、私たちは歯を食いしばって力を出そうとします。つまり、そしゃく筋に力を入れてから体の筋肉を働かせよう、体の筋肉に頑張ってもらおうとします。これは自然なことです。歯や顎の調子が悪く食いしばることができなければ、手に力が入らなかったり、足腰がしっかりしないなどの状態になってしまいます。
 食いしばるための筋肉、つまりそしゃく筋がしっかりしていないと体の筋肉がしっかりしなくなるという結論に至りますが、それは発生学的にも理にかなっていることです。
 高齢者になって歯が抜けてきて噛むことが快適にできなくなると、眼が弱まり、耳が弱まるようになるという道を私たちは歩むわけですが、私たちにとって快適にそしゃくすること、そしゃく筋がしっかりしていることは、生命力を活き活きと保つ上でとても大切なことだと言えます。
 そしてこれは高齢者に限らず、年齢に関係なく同じことが言えます。「生きることは噛むこと。噛めなくなったら老いや病気が近づいてくる。」と言ってもいいでしょう。

 以上のように眼の使い方、噛み方、そしゃく筋の状態が全身の歪みの出発点になることや全身の筋肉の働きをしっかりさせるという意味から、整体的に見ても顔は全身の司令塔であると言うことができます。

B美容‥‥小顔、シミ、シワ、たるみなどに対する顔の整体
 女性にとって“小顔”というフレーズはとても魅力的なようです。また、シミ、シワ、たるみはある年齢層以上の女性にとっては大きなのテーマのようです。
 顔の整体における“小顔”対策は基本的にむくみの解消です。頭蓋骨を凹まして顔を小さくすることはできません。(そのようにしているところもあるようですが、とても危険です)
 実際のところ、むくみを解消するだけでも顔はかなり小さくなる印象になります。むくみを解消することはたるみとも関係しますが、むくみがとれると頬がほっそりしハリが出てきます。また、眼や鼻の周りのむくみがとれますと眼が大きくなり目鼻立ちがくっきりしてきます。そうなると顔全体の印象として“小顔”がもたらされると思います。

 “顔のシミ・シミ・たるみ・むくみ”については、こちらのページをご覧ください。

C以前の顔立ちに近くなる“顔の整体”
 顔や頭蓋骨を歪ませ崩す要因は様々にあります。加齢もその一つでしょう。またそれ以上に、普段の体や顔の使い方の方が影響するのかもしれません。
 顔の整体では第一に頭蓋骨を整えることを優先します。顔の筋肉や筋膜や皮膚の働きは、土台となる骨格がしっかりすることによって、うまく機能を発揮することができると考えているからです。筋肉や筋膜がしっかり働きだすと血液循環も改善し、美容上の事柄も良い方向に向かうと考えています。

 例えば、それが加齢の影響による骨格の歪みであるならば、多くの場合、上顎骨、頬骨、前頭骨といった顔の前面にある骨が下がり、顔全体が下がった印象になります。(頬がさがり、目が開けづらく細くなり、鼻の下が長くなるなど)
 「若い頃はもっと頬が上を向いていて目もパッチリしていた」などの思いをもっている人も多いかもしれません。こういう人には顔の整体をお奨めします。加齢やその他の原因によって以前の顔立ちと変わってしまったと感じている人には、きっと役に立つことができると思っています。

打撲や陥没、無理な施術によって頭蓋骨が狂ってしまい、常に不快感を感じている場合
 同業者として残念なことですが、頭蓋骨を強制的な力でもってグイグイ押しながら施術を行っている業者、あるいは口の中にまで指をいれてグイグイ何かをしている業者がいるということを時々耳にします。頭蓋骨は容貌だけではなく、感覚器官のほとんどがあるところであり、大切な脳が納まっているところです。本当に慎重に扱わなければならないところです。
 
 体には中心というものがあります。その中心がしっかりしていれば、他が多少狂っていてもそれなりの日常生活が送れるのですが、その中心が狂ってしまうと全部が狂ってしまい、あっちもこっちも痛みや違和感だらけで、生きていることさえ辛く感じるようになってしまいます。
 よく“骨盤が体の中心”と云われていますが、骨盤だけでなく、頭蓋骨も中心です。骨盤の中の仙骨、頭蓋骨の中の後頭骨、これが本当の中心の中心になります。
 発生学的に云いますと、太古の昔、頭蓋骨と骨盤はくっついていました。つまり頭(顔)とお尻は同じところにありました。その私たち祖先が海の中を游いでいるうちに、次第に頭と尻が分かれるようになりました。そして、その間に背骨ができ、そこに内臓が配置されるようになりました。ですから、背骨で上下につながっている後頭骨と仙骨が共に体の中心であると云えるのです。

 無理な施術によって頭蓋骨を狂わされてしまった人は、この意味からも後頭骨を整えることからはじめて欲しいと思います。そしてその後頭骨を中心に側頭骨・頭頂骨と整え、その他の頭蓋骨が整うように進めていって欲しいと思います。
 ここ(ゆめとわ)に通って来ることができる人には、もちろんこちらで施術させていただきますが、そうでない遠くの人には、そのことを頭に入れて施術する場所を見つけて欲しいと思います。

ゆめとわでの対応
 ほとんどの人がどこかしら頭蓋骨はずれています。一番ずれを感じるのは下顎になりますが、下顎については噛み合わせや噛みしめのところで説明させていただいているとおりです。
 上記の本文にも記しましたが、頭蓋骨は多くの骨がパーツとなって組み合わさってできていますので容易に歪みますし、その歪みを修正することも力を使わずに行うことができます。
 最近多いドライアイや顎関節症、あるいは顔の違和感、耳に関する不調なども頭蓋骨の歪みを改善することで症状が改善する可能性はあります。しかし、そうでない場合もあります。ゆめとわの整体で改善できなかった事例もあります。しかし、改善できたものもたくさんあります。
 顔や頭のことでお悩みの方は一度ご来店いただき、ご相談ください。

ゆめとわホームページへ