腰痛について (2)

B朝起きがけの痛みはお腹の冷えによる血行不良が考えられる

 これは腰痛に限ったことではないのですが、朝起きたとき腰が痛くて動き出せないとか、ベッドからなかなか起き上がれない、と訴えてこられる人がいます。「起きてしばらくすると楽に動けるようになるのだけれど‥‥」という症状の根本的な原因は血行不良であると考えられます。寝ている間の循環が悪いため、起きがけは血液が末梢までスムーズに流れなくて動作しようとしても動かすことができないとか、動作に無理がかかり痛みを伴うとか、そういうことがベースになっているのだと考えられます。若者よりも高齢者に多く見られる症状ですが、寝ている間に“脚がツル”というのも同様に考えることができます。

 私たちの体で循環の原動力であり主役であるのは心臓なのですが、心臓の働きは自律神経によって支配されています。心臓の働きは交感神経が優位である“起きている時間”に盛んになるのですが、副交感神経が優位になる“寝ている時間”は重力から解放されることもあってか、心拍数も血圧も減らし半ば休息状態になります。
 東洋医学の考え方に表裏、臓腑というのがありますが、それによりますと心臓と小腸は同じ系の臓腑の関係であり表裏の関係になります。小腸は食物を最終的に消化吸収する器官ですが、副交感神経が優位な時間、つまり寝ている時間に活発に働きます。小腸はお腹の中に折りたたまれて入っていますが、その長さは10メートル近くに及ぶほど大きな器官です。寝ている間にこの器官が働いているということは、寝ている間は小腸に血液が集中しているということでもあります。つまり、寝ている間の血液循環の主役は心臓ではなく小腸であると東洋医学では考えますし、理屈としてもそう考えることができます。
 さて、筋肉は冷えにとても弱い性質を持っています。寒さに冷えた指先は思い通りに動かすことができなくなることからもそのことがわかります。お腹が冷えていると小腸はうまく働くことができなくなります(小腸も筋肉ですから)。すると寝ている間の全身の循環が乏しくなります。そんな時さらに朝方の冷えがくると筋肉は我慢できなくなり自己防衛するために反応します。それが急にふくらはぎがツリ、痛みを訴えるということなのかもしれません。
 体は「生命を維持する」という目的で、脳や内臓の働きをいつも適切に保っておく必要があります。そのためには深部体温が37℃でなければなりません。この深部体温が低くなると体内の酵素が働けなくなりますので、生命を維持することに赤信号がともります。「凍死」というのは体が凍って死ぬわけではなく、深部体温が30℃とかに下がり酵素が働けなくなり生命活動が維持できなくなることです。ですからお腹は冷えていてはいけないのです。お腹を冷やすと手足の血流を犠牲にしてでもお腹に熱を集めようとするのが生体防御の仕組みです。
 朝起きがけに腰や膝が痛い、あるいはしばらく動き出すことができないとか、脚がよくツルという場合は、「お腹が冷えているのかな?」と一度考えてみていただきたいと思います。
C腰痛の予防には手と足とふくらはぎをマッサージして、お腹を冷やさない

 簡単ではありますが上記で、手や手指、足首やアキレス腱の状態が腰部の骨格に影響する、つまり腰痛に関係することは説明しました。
 実際にここで施術をするにあたっても、手・手指・足首周辺・ふくらはぎをよく整えることによってあらゆるタイプの腰痛に対処しています。
 多くの人は“手と腰痛”がイメージ的に結びつかないようですが、背骨と骨盤と大腿骨の関係が腰痛の原因であるという出発点に立ち、本人がいつもやっている作業、あるいは特別に行った作業で手や足をどのように使ったかを考え合わせますと、「確かにそれが原因か!」と合点のいくことが思い出されると思います。
 根本的な原因を改善しないかぎり、症状が本当の意味で改善されることはありません。「腰が痛いから腰を揉む」とか「背骨や骨盤がゆがんでいるからボキボキして整える」とかやっても意味のないことです。一時的に症状が改善されたかのように感じるかもしれませんが、翌日とか数日後には戻ってしまったということになってしまうでしょう。

 中腰の姿勢で作業をする機会が多いような人は、腰部の筋肉そのものに負担がかかりますので、時折揉みほぐすとかマッサージを受けることは良いことだと思いますし、ご自分でされるならストレッチが有効だと思います。さらに腹筋と背筋(腰部の筋肉)は一体として機能し立位の姿勢を支えていますので、腹筋もある程度鍛えた方が良いでしょう。腹筋の弱い人、働きの悪い人は背筋がその分硬くなって腹筋の働きを補っていると考えてみてください。
 手術などでお腹に大きくメスを入れた人はどうしても腹筋の働きが悪くなります。すると腰痛になります。ですから、人一倍腹筋を鍛えることに努力する必要があるでしょう。
 お腹が冷えていても、腹筋の働きは鈍ります。そういう意味も含めてお腹を冷やさないように注意する必要があります。
ゆめとわでの対応

 腰痛に限らず体の不具合について施術する際、症状の進行状態についてはいくつかの段階があります。
 まず“感覚異常”の段階。体に歪みが生じると「なんかおかしいな」「違和感を感じる」「腰がすっきりしない」などの感覚が生じてくる段階での初期段階です。これはもしかしたら一晩寝てしまえば自然治癒力で治ってしまうかもしれません。そうでなかった場合、次に進み“機能がおかしい”段階となります。「うまく動かすことができない」「動かすと痛む」などの段階で、いわゆる「腰痛」として多くの人が感じている段階と言ってもいいかもしれません。そして“機能がおかしい段階”を放置していると“器質に異常が生じる”段階に進みます。機能異常の段階なのに無理して続けていると、ついに筋肉自体や組織が変化してしまうというような段階です。腰椎ヘルニアなどの病気は、この段階にあるといってもいいかもしれません。慢性腰痛、慢性の坐骨神経痛など、「持病持ち」という段階です。こうなってしまうと、すぐに改善することは難しくなります。
 「根本原因を探し出し、それを修正することで症状を改善する」というのがここでの施術方法です。器質が異常になった段階やギックリ腰などの傷によるもの除いて、腰痛はとても短時間で改善できる症状です。
 慢性腰痛、つまり器質が異常になった段階のものは数回の施術では解消することは無理です。月1〜2回と定期的に施術を続けることによって1年後には器質の異常が改善された、という感じになるものです。
 腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症などに対しては、脊椎(背骨)の歪みや配列を正すことで痛みや症状を改善できる場合もありますので、一度来店されることをおすすめします。

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