症状と整体
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膝の痛み

 膝は歩行や下半身の運動にとって非常に大切な関節ですから、ここに痛みがでますと動作がとても制限されて精神的にもつらくなってしまいます。中高年以降、膝が痛くなったり水が溜まったりすると、「変形性膝関節症」などと診断されて、骨が変形したのか、あるいは軟骨が減ってしまったのか、などなど前途多難な心境に向かってしまう人も多いようです。
 さて、膝関節は体重を支え、複雑な日常動作を行う要ですから、たくさんの筋肉や靱帯に保護され、そして影響されています。これら膝関節の動作に関係している筋肉群のバランスが崩れると関節は変位し、痛みを発したり水が溜まったりすると考えられます。
 「膝がおかしい」という人が来られた場合、まず膝関節を構成している骨の関係を見ます。主には大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)を見ますが、膝にトラブルを抱えた人は必ずそれらの骨の位置関係が異常です。大腿骨と脛骨が離れてしまっている感じ、脛骨が外側に捻れている感じ、そのケースが多いかもいしれません。
 膝の下内側に鵞足と呼ばれる、膝トラブルの時にもっとも注目する場所があります。そこには縫工筋、薄筋、半腱様筋というまったく働きの違う筋肉の付着部があります。この三つの筋肉がバランス良くしっかりしていれば、膝関節はカシッとして安定しています。しかし、三つの内のどれか一つでも働きが悪く弛んでしまっていると、脛骨は外旋したり大腿骨から離れます。そしてそれを補おうとして他の二つの筋肉はこわばります。そしてそこに痛みが発生します。一つの例ですが、骨盤から鵞足につながっている縫工筋は、その始まりである骨盤が内側に動揺していると働きが鈍くなります。すると脛骨は外旋します。脛骨が外旋すると薄筋にとっても半腱様筋にとっても鵞足の位置が本来の位置より遠くなるため、共にこわばります。
 膝関節そのものも変位してしまっているため、そのまま歩行や走行などの運動を続けると炎症が起こります。そしてそれを緩和しようと関節に水が溜まってくると考えられます。これは一つの例ですが、このようにたくさんある筋肉の中のどれかがおかしくなると、全体のバランスが崩れ、それが膝関節の負担となるために痛みを出したり、水が溜まったりするのではないかと思います。
 すべてではないでしょうが、こういうケースから始まり、その状態のまま時が経過したことによって、骨が変形し、軟骨がすり減ってしまった場合も多いのではないでしょうか。

 たとえ慢性化してしまったひどい膝の痛みであったとしても、筋肉群のバランスを整えることによって痛みが軽減し、溜まっている水も自然と減ってくると考えています。