シミやくすみ

 正直なところ、ここは整体院ですのでシミやくすみの改善を主目的に来られる人は少ないです。ですから実例も多くありません。しかしながら、はっきりとしていることもありますので、それを記します。情報の一つとして参考にしていただければと思います。

シミの面積の多くはくすみ

 皆さんはよくご存じだと思いますが、シミになってしまう最初の段階は、表皮の中のメラニンが紫外線から皮膚を守るために黒く変色する過程です。基本的にそれは表皮の変色ですので、表皮が垢となってはがれ落ちていくまで取れません。(還元漂白という手段は別にして)
 新陳代謝が順調に行われていれば、一月とか一月半で表皮は垢となって剥がれていきますので、シミはできないはずです。ところが実際は、加齢とともにシミが増えてしまいます。つまりそれは、新陳代謝が上手く行われていない部分が素肌に部分的にあるということを物語っています。
 実際にシミの改善を試みた時にわかったことがあります。それは、例えば直径1pのしみがあったとしても、ほとんどはくすみであり、メラニン色素によるシミは少ししかないことです。メラニン色素のシミは上記の通り表皮の新陳代謝によって垢となって落ちていくまでは取れません。しかし、くすみは短時間のうちに改善することが可能です。くすみの主な原因は血行不良によるものだと考えられるからです。
 皮膚は厚さが1.5oくらいと言われていますが、外側に表皮があって、厚さが0.2o程度です。そこには血管はありませんので血液はきていません。表皮の下は真皮と呼ばれ、毛細血管がありますので真皮の健康状態は血液に依存することになります。皮膚の弾力やハリは真皮の役割ですので、新しい血液が届いて古い血液が老廃物とともに回収されるという仕組みが滞りなく行われるかどうかは皮膚の老化にとって重要な問題です。

 前の項目(顔の歪み)で“変調”という言葉を用いましたが、それは筋肉だけではなく、皮膚や筋膜にもあてはまります。くすみのあるところはやはり皮膚に変調があります。変調がある部分は血液循環も悪いと考えられます。実際、皮膚やその下にある皮下筋膜の変調をていねいに改善していくと、くすみは速やかに改善していきます。
 すると大きな面積であった黒い部分は、ほとんどが白くなり、ポツンポツンと黒い点が残る感じになります。この残った黒い点がメラニンによるシミだと考えられます。
 これをまとめると、下記のようになります。
 @皮膚や皮下筋膜の変調により血行不良の部分ができる→くすみの発生につながる
 Aその部分の真皮は栄養不足なので、表皮の新陳代謝がうまくできなくなる→シミが残る
 Bくすみを改善するため皮膚・皮下筋膜の変調を解消すると、表皮の新陳代謝も能力を回復し、やがてメラニンによるシミも改善していく

 皆さんにとってシミとはどういう印象のものであるのかわかりませんが、“大きなシミが小さくなるならいい”ということであれば、顔の整体は十分に役立つものだと思います。