目の疲労と首と肩

 パソコンやスマホなどが私たちの生活に深く関わるようになって、目に何らかのトラブルを抱える人はとても多くなりました。これは目に限ったことではないのですが、私たちの筋肉は収縮したままだったり、反対に引き伸ばされたままの状態で長時間じっとされることに弱いという性質があります。同じ姿勢を保ち続けるのが苦手だと言っても良いでしょうか。
 パソコンやスマホ、テレビや読書や裁縫などは、根を詰めるほどに目をじっと集中させてしまいます。すると目を動かす筋肉(外眼筋)や遠近を調整したりピントを合わせる筋肉(内眼筋)が同じ状態のままで置かれる時間が長くなってしまいます。するとそれらの筋肉が凝ったりこわばってしまいます。目に関係する筋肉は肩甲挙筋と関係しますので、「目が凝ると首が凝る。そして肩が上がる。」という状態になります。
 揉みほぐしてもなかなか解消できない首肩の凝り、その原因の一つとして目の凝りが挙げられます。(その他の原因として、噛みしめなどの癖や肩甲骨のずれなどがあります。)
 目の横の“こめかみ”のところがパツンパツンに張っていたり、コリコリしているようだと、それは目の凝りが強いことを現しています。
 パソコン作業を30分やったら、目を左右上下に良く動かしたり、遠くを見たりして硬直した外眼筋や内眼筋をストレッチしてください。

参照コラム→ 目のトラブルについて(顔の整体で対応できるもの)

顔の整体で改善できる首・肩のこり

 首・肩の凝りは、揉みほぐすことで改善できると考えている人が多いと思います。しかしながら、揉みほぐすことで改善できるものはほんの一部です。
 一般の人が感じている首や肩の凝りは、専門的に見ますと二つに分けて考えます。一つは単純な凝りの状態です。それは筋肉やその周りに水分や老廃物が溜まってしまってコチコチになってしまった状態です。ちょうど風船の中に水がパンパンになってしまった状態に似ています。この場合は揉みほぐすことで停滞して溜まっていたものが流れ出し、正常に近い状態に戻りますので揉みほぐしが有効であると言えます。もう一つは筋肉がこわばってしまい硬く太くなった状態です。張っている状態と言い換えることができます。こうなりますと動作によって、あるいは動作をしなくとも痛みを感じるようになります。この場合は揉まれると痛みを感じます。そして揉みほぐして楽になったと思っても、すぐにまた辛い状態に戻ってしまいます。筋肉のこわばりや張りは、揉みほぐしても解消しません。骨格を整えたり筋肉を調整することが必要です。

・キーワードは斜角筋・肩甲挙筋、菱形筋、肩甲舌骨筋
 首肩の凝りや張りとして、多くの人が辛く感じているものは、具体的に筋肉の名前を挙げれば斜角筋・肩甲挙筋・菱形筋・肩甲舌骨筋のこわばりです。
 斜角筋は首の骨(頚椎)と肋骨を結んでいます。ですから肋骨の位置が通常よりも下がっていますと張ってしまいます。また噛みしめや歯ぎしりによって咬筋がこわばりますと連動してこわばります。この筋肉が張ったり、こわばりしますと、後を振り向く動作で痛みを感じたり、首の芯がカチカチになった状態になり指で軽く押すだけで痛みを感じるようになります。
 肩甲挙筋は前の項目で説明したとおりですが、目が疲れたり、あるいは肩甲骨の位置が後や下や外にずれたりしますとこわばり張ってしまいます。首の後側から肩甲骨にかけてカチカチになっている場合は、肩甲挙筋の張りによるものです。
 菱形筋は左右の肩甲骨の間にあります。肩甲骨の内側が気持ち悪かったり、痛かったりする場合は、この筋肉がこわばっています。多くの場合、肩甲骨のずれが原因ですので、肩甲骨を整える必要があります。
 専門家でもあまり耳慣れないかもしれませんが、肩甲舌骨筋という筋肉があります。この筋肉のこわばりによる肩凝りや肩の張りを訴えるひとはかなり多いです。この筋肉がこわばっていますと肩甲骨の天辺が盛り上がったように硬くなり、押すと痛みを感じますし、首を横に倒す動作で痛みを感じます。この筋肉がこわばってしまうのは、肩甲骨の位置が悪いか舌骨の位置が悪いかのどちらかです。舌骨の位置は、食いしばりや噛みしめ、歯ぎしりなどが影響しますので、いずれにせよ噛みしめ、食いしばり、歯ぎしりなどそしゃく筋に関する問題が首や肩の凝りと張りに大きく影響を及ぼすという結論になります。
 ですから、首肩の凝りや張りを改善するためには、揉みほぐしに合わせて顔を施術することが必要です。